2019年上半期雑記

残暑お見舞い申し上げます

長い梅雨、台風などときて、今になって酷暑がきていますが、

皆さんはどんな夏を楽しんでいますか?

話は真冬の3月まで戻ってからになるのです。

今年は演奏、マスタークラス、レッスン、コンクール審査と、

バランスの良い上半期でした。毎月違うプログラムというのも

中々チャレンジャーで、パガニーニエチュード5曲を3週間でやる、という

話をした時は、アルゲリッチから「それはキツイわね。。。でもアタシも

連日違うコンチェルと弾くのよ、がんばりましょ」と言われて笑いました。

3月は、学生時代に受けた大曲新人音楽祭というコンクールで大変お世話になった

磯先生と倉橋先生のご厚意と、(長きに渡って暖かな交流を続けてくださる

信じられないほど暖かな人たちなのです)中仙市民会館の館長のご厚意も加わり、

マスタークラスと演奏会をしました。今回は、大仙市のピアノ教育に刺激と

ヨーロッパ教育を入れていきたい!という僕の想いから、オーディション合格者を

僕の演奏会の中で、連弾という形で、お金をいただくコンサートの上で弾く、それまでの

プロセスの中で僕と勉強をする、という形で行いました。

これは本当に良いコンサートになったので、計画としては来年の冬の終わりにまた

新しい企画とともに開催をする話を進めています。

中仙市民会館は素晴らしい響きなのです。

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その数週間後の4月、和の美しさを存分に味わえる、これまた響きが

とてもヨーロッパ的な、前橋の笠原智廣ピアノアカデミーと、東京

ムジカーザにて、ブランデンブルク州立フランクフルト管の渡辺尚洋氏、

神奈川フィルの鈴木一成氏とのトリオのコンサートでした。ゲストの

鈴木純子さんも神奈川フィルですね。

フランセのトリオも、プーランクのトリオも初めて勉強した曲ですが、

全く違う面白さがありました。フランセは何と言っても一見難解な響きに

聞こえるのですが、紐解いて、響きとハーモニーを作っていくと、そこに

とても多彩な色彩が、そしてスイングするリズムがあって、面白いのです。

プーランクは彼が生きたワンダーランドのような世界観と、メルヘンと、

時代による凄み、ロマンティシズムを兼ね備えたご馳走な曲でした。

なによりこの木管の3人の腕前がとびきりの一級なのですね。まさに歌。

我々のトリオは来年、進化した形でまた皆さんの前に登場します。

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GW明けは、アマチュアとしてはとーーーーーっても上手な、

そして情熱的な芦屋交響楽団とリストのコンチェルとの第1番でした。

この曲はリストのあらゆる要素が統合されたような曲です。

宗教曲の様な厚み、神曲のような凄み、ラッサンに見られる様な

究極の愛のロマン、そして超絶技巧も。その全てが歌で、リストの

音楽は本当にピアノで作り上げるオペラなのだなあ、と思うわけです。

オケの皆さんは本当に粘り強く僕の願いを反映するアンサンブルを

してくださって、感謝しかないです。プーランク、ラフ3、やりましょう!!^^

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5月〜6月はヴァイオリニスト久保陽子先生とブラームスのソナタを軸に、

ウェスタ川越と宗次ホールで演奏させていただきました。

先生の楽譜の読み込み方は、世界の一級のそれです。楽譜を尊重する、という事の

本当の本物の作業がいかなるものか、そしてそれを具現化する練習の必要性と、

メンタリティ、生き様。あらゆる事をショックなほど突きつけられる時間でもあり、

最高に音楽的な時間でもありました。

 

8月、再び宗次ホールにて、吉永哲道氏との2台ピアノでの演奏をもって、今年半分

終わりました。同学年のピアニストと演奏するというのも、また違った面白さ

ですし、彼と創り出す独特の世界は、瞑想的でもありなにかスピリチュアルな

空間を旅する事ができる特別な時間です。この日ソロで演奏したハンガリー舞曲は

シフラ編曲です。ああなると、とてもロマンティックな曲になるのですね。

今後レパートリーとして磨き上げていきたいと思います。

 

この間、ピティナの予選、本選の審査、マスタークラスなど色々やらせて

いただきました。実際舞台で演奏芸術をする、その準備をするという観点の他に、

これからの世代、つまりは、まだ「演奏を作り上げていくことを知らない、

テクニックの意味と習得、楽譜の読解、音を造ることも知らない」卵ちゃんを

どうすれば”育てていけるか”を考える時期でもありました。

 

秋からまた新しいシーズンです。どこかで皆さまとお会いできますように。

 

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